施術

カイロプラクティックの施術をする方は皆同じだろうと思いますが、施術をするとき、私はとても慎重に施術に挑みます。

初めて来院されたお客様については特に注意に注意を重ねて施術をしています。

「ここを施術すれば大丈夫だ」と確信があったとしても、体の痛みの出でいる場所から遠い部分から刺激して体の変化を見てみたり、刺激をするとしても非常に小さい刺激からはじめ、テクニックも直接ではなく、間接法、エネルギーテクニックなどを使用して、お客様の体がどのように変化するのか、どの程度の強弱が必要なのか、注意深く観察しています。

 

ある日、坐骨神経痛と腰痛を訴える50代後半の方が紹介を受けて来院されました。やっと歩ける位、体の状態が良くなかったのですが、体格も良くカイロプラクティックの施術で改善されるのじゃないかという気がしました。

しかし、問診をしながら施術をした方がいいのか、しない方がいいのか、困ってしまいました。施術をしなければならないけれど、どこまで、どの程度までするのか、テクニックはどのように応用するか、来院者の期待値と施術後の体の変化がどのように現れるかについて心配でしばらく悩んでいました。

 

50代後半の来院者は、1年前に自動車で後ろからぶつけられて交通事故に遭い、胸椎6 、7番部位に激しい痛みがあり、めまいや頭痛など他にも様々な痛みがあったと言いました。病院で精密検査をした結果、脊髄を包んでいる硬膜が破れたということでした。それで穴のあいた硬膜を修善し、症状はいったん消えたが、硬膜の破れた場所にある胸椎6、7番を刺激したり、押してみると痛みがあるということでした。

脳脊髄

中枢神経を包んでいる硬膜が破れた場合は、脳脊髄液が漏れるためSOTテクニック(仙骨後頭骨テクニック)でいうところの頭痛、めまい、腰痛等、多くの症状が現れ、硬膜を修善する他に治療法がありません。

硬膜が破れて手術をした方が来院されるのは今回初めてで、今まで一度も会ったことがありませんでした。

 

15年ほど前に篠永正道先生の「低脊髄液圧症候群の決定的な治療法」という本を読んで、脳脊髄液が人体に及ぼす影響とその脳脊髄液により筋骨格系だけでなく、体の様々な部位での痛みや各種の症状を示すことがわかりました。そして、私が一番関心を持っていたSOTテクニックで脳脊髄液(C.S.F)の流れを重要視して治療する方法が、どれほどすごい事かを確認することができました。

 

「硬膜が一度破れた人は再度破れることがあるので注意するように」と医師の話があった言われ、私は非常にソフトなテクニックで施術をしました。すると施術後にヘルニアと坐骨神経痛が大分改善されました。少し刺激が必要なテクニックを使えば、背中の痛みと坐骨神経痛がより一層良くなるだろうという確信がありましたが、施術することができませんでした。硬膜がまた破れたらどうするのかという心配と、他の症状がどう現れるかわからなかったためです。

脳せき髄液の流れ

迷っていた私に、その方は「硬膜が再び破れてもいいです。再び手術をすればいいですから、先生の思う通りに施術してください。」「一切いかなる責任も問わないし、後悔もしませんから」と頼まれました。

 

私はそれでも慎重に、又リラックスして様々なテクニックを使いました。彼はその場で背中の痛みと坐骨神経痛がほとんどなくなったのです。一緒についてきた友人がすごく驚きながら、とても喜んでいました。

 

二日後に彼から電話が来ました。「痛みが全くないです!。来週に時間を作って施術を受けにいきます」と。

 

難しい症状の来院者でしたが、「先生の思う通りにカイロプラクティックの施術をして下さい」という彼の言葉に励まされ、それが勇気と自信につながって気楽に施術をすることが出来、最終的に望ましい結果に繋がったのではないかと思います。

私を信頼して下さったことに感謝です。

ドキドキと喜びのカイプラクティック施術経験でした。

2017-07-15 (3)