アレルギーの症状はなぜ起きるのでしょうか? 

  ー人間と自然界との調和ー

 くしゃみ 鼻水

 

最近目が痒かったり、涙や鼻水、くしゃみなどのアレルギー症状で悩む人が増えています。 簡単に治らないだけではなく、年々症状がひどくなることが多く、「早くこの時期が過ぎてくれたら・・・」と祈るばかりです。

 

アレルギー反応を起こす杉の木やヒノキ、ブタクサ、埃、カビなどは、私たちが生まれるずっと以前からあったものです。今も、又今後もずっと私たちの生活と共に存在するものでもあります。 ところが、以前からあったこのような物質のせいで、私たちの先祖や昔の人々がアレルギーで苦労したという話はほとんど聞いたことがありません。 わずか20~30年という短い間に、今までになかったアレルギーという症状で多くの人たちが急に苦しむようになったのです。

 

アレルギが起きる原因は?

 アレルギー整形外科の医師の道を諦めて寄生虫の研究に一生を捧げた、藤田紘一郎 東京歯科大学院名誉教授は最初、

”大気汚染による免疫力の増加因子の増加や、都市化および住居環境の変化、杉の木の生殖・花粉の飛散量の増加がアレルギーの原因”と指摘していました。ところが、大気汚染に対するフィルタを製造する技術の発達と、杉の木の花粉は以前にもあったこともあり、その後の研究により、回虫をはじめとした『寄生虫の感染率が急減したのがアレルギーの起こる大きな原因だ』と主張するようになりました。 

長年寄生虫を研究してきた彼は

『寄生虫だけでなく、細菌やウイルスなどの微生物もアレルギー反応を抑制する』ことを突き止めました。 宿主に対する寛大さは寄生虫も細菌・ウイルスも同じで、一人では生存することが不可能なため、宿主の免疫均衡を維持する役割を担当したのではないかと彼は主張しています。 彼は寄生虫や細菌・ウイルスなどが人間に害をあまり与えないのは、昔から人間とよく共生をしてきたからだという新しい医学的な視点で人体を眺めています。

 

花粉症の症のプロセスと寄生虫 

ヒスタミン体内に杉の木の花粉と同じ、分子量が二万程度の大きな物質が入れば、NK細胞(Natural Killer細胞)が真っ先に先頭に立って異物と争います。 この時NK細胞が戦いに負けるとマクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球にバトンタッチをすることになります。 Bリンパ球はIgE抗体を生産して次に入ってくる花粉に対応します。 肥満細胞には杉の木の花粉のIgE抗体が付着できる鍵穴があるので、IgE抗体は肥満細胞に付着することになります。 ところが飛んできた花粉がIgE抗体に付着をすると、肥満細胞が破壊され、その結果肥満細胞内にあるヒスタミンやセロトニン、ロイコトリエンなどを撒き散らすことになり、これに刺激を受けた粘膜が炎症を起こしてくしゃみや鼻水が出て目がかゆくなるアレルギー症状が現われるようになるのです (藤田紘一朗のアレルギーの9割は腸で治る!参照)。

 

藤田博士によると寄生虫は体内に入れば自分が暮らしやすいところに定着するのですが、人体は寄生虫を排除しようとして抗体を作ります。 この時寄生虫は人体が作った抗体から被害を受けないようにDiAgという物質を作り出します。 寄生虫が作るこの物質が寄生虫を保護することはもちろん、杉の木の花粉やダニなどの抗原が入ってきても反応出来ないようにしたり、不活性化させたために、寄生虫がいた時代には人間にアレルギー症状が現われなかったのです。

 

シーソー藤田博士は ”寄生虫の分泌物であるDiAgを抽出して薬として使用すれば、アレルギーは解決される” という確信を持って、実験用マウスで実験した結果、アレルギーが完全に解決されることを確認しました。 しかし新しい問題が生じたのです。 アレルギー症状は無くなりましたが、今度はガンが出来やすい体質に変わってしまったのです。 つまり人にはアレルギーなどに対抗するように液性免疫を作る「Th2」やガンに対抗するように細胞性免疫を作る「Th1」がありますが、アレルギーを除去するため、寄生虫のDiAgの新薬を注入するようになると、「Th2」が強まり、相対的に「Th1」が弱まって免疫のバランスが崩れてしまうのです。

寄生虫の分泌物から新薬を作ることに成功しましたが、せっかく開発した新薬は活用することが出来なくなりました。

 

このことから藤田博士は、アレルギーや癌のような免疫の均衡に関係する病気は西洋医学的アプローチでは解決出来ないと主張しています。 人体を全体的にみる東洋医学的観点からのアプローチが必要であることを力説しています(藤田紘一朗のアレルギーの9割は腸で治る!参照)。

 

自然

 

現代医学は人間の病気を一体どこまで解決できるのかという疑問が湧いてきます。 自然の構成員の一人である人間はやはり ”自然と共に共生している時に元気になるのだ” ということが改めて分かる気がします。

そして未来における治療も、人間を自然の一部と認識しながら、人体は部分ではなく、全体なのだという観点(ホリスティック的な視点)からのアプローチが必要だということを改めて確信するようになりました。